ブランドの価値を上げるためには割引販売はしない方が良いです。多少はあっても良いかもしれませんが、以前の状況は割引している店舗での率が大きすぎて、割引しないまともな時計店やブティックおよび百貨店と、割引する量販店での2つの価格があるような状態でしたからね…。なお、ポイント還元は引き続きOKです。
定価ベースでクォーツモデルの価格について検討してみて、値引きしなくても魅力があるってことに注目してみたいと思います。
☆本日の時計
・グランドセイコー SGBX263 SBGX335 SBGX331
〇ヘリテージコレクション SGBX263
長らくGSのエントリーを請け負ってきたシリーズのシルバーカラーモデル。普通の銀色と違って何層構造にもなっていて手間がかかっているらしい。どこかに書いてあったんだけど、また調べておきます。実物を見ると、写真では全く分からない味わい深さがありますよ。
ムーブメントは9F62。9F82より少しコンパクトな日付表示機能付き。何も言うことはあるまい。
何回も買おうかと悩んできましたが、その度に「これといった特徴が無いから、他に取って代わられるかも?」と思ってしまってストップしていました。落ち着いて考えれば、これといった特徴が無い普通の素晴らしいモデルであるのですが…。
近い価格で近いイメージを持つ物はタグ・ホイヤー カレラの3針(および+GMT)モデル。こちらは機械式。昨今、カレラの低価格モデルも外装仕上げが良くなってきていますが、そこはGSの得意領域ですから負けるわけにいきません。実際にGSが良く出来ています。ムーブメントもクォーツと機械式と異なりますが、正確で、ビシッと力強く動くクォーツムーブメントはなかなか魅力的ですよ。
〇スポーツコレクション SBGX335 ダイバーズ
GSのスポーツコレクションのデザインのベースとなっていると私が勝手に思っているダイバーズモデルのSBGX335。このデザインをベースにスプリングドライブモデルとかも出しています。
セイコーお得意の4時位置リュウズに、バキバキにエッジの効いたケースにマッシブなデザインです。サブマリーナがマッシブな雰囲気になる前からこのデザインですから、先んじていた、のかもしれません(?)
方向性としては、マリンマスター300と呼ばれるSBDX023の系譜ですね。
ムーブメントはちょっと薄いクォーツ9F61。ケースもちょっとだけ薄く仕立ててあって、13mmに抑えていますし、ラグを短くしてあるので装着感も良いです。バックルはエクステンションの付いた本格仕様。
ただ、「薄く仕立ててシティーユースにも!」と公式で謳う割に、分厚くて無骨なバックルでアンバランスさが残ります。そこさえ気にならなければ、あるいはラバーやNATOストラップにしてしまうなら、かなり良いモデルだと思います。
〇エレガンスコレクション SBGX331
超ドレッシーなSBGX331。フォーマルシーンでも完璧です。レディースモデルとのペアウォッチとなっていて、おじさまおばさまの需要を押さえているのだと思います。
しかしですね、これ、金無垢や上位モデルのデザインベースとなっているもので、注目しないのはもったいないと思います。
思いっきり、ジェンタのCラインケース、しかも初期のユニバーサルジュネーブやオメガ コンステを思わせるタイプです。ラグを短く着け心地も良いでしょう。薄手に仕立てている点も〇。
ポイントは、デュアルカーブサファイアガラスで、ヴィンテージよろしくカーブした風防ながら、内側も綺麗に同じ(厳密には違うけど)カーブで削ることで厚さを均一にして、見え方が歪まないようにしたものです。これに結構コストがかかる。そこから見えるのがGSお得意の、太く、エッジの効いたドーフィン針です。落ち着いたデザインだけど、仕上げで魅せるあたりは、GSっぽいと感じます。
このデュアルカーブサファイアガラスにコストがかかっているといっても、SBGX331はレザーストラップで407000円。SBGX263あたりと比べても結構高価です。SBGX331のケースの仕上げとちょっと立体感のあるダイアルにコスト掛けているのかな?と思います。
これ、ちょっとクラシカルにカジュアルなストラップとかにすると、化けそうなんだけど…どうでしょうか?
結局、割引販売終了を前に買おうかと悩んでおりましたが、駆け込みで買うような価格でもジャンルの商品でもない、と言い聞かせて辞めました。多少高くなっても「これじゃなきゃいけない!」と思って買う方が価値があると思ったんですよね。
後日に使うことに決めたら、あの時買っておけばと思うのかもしれませんが、それはまた別のお話。