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2018年9月2日日曜日

セイコームーブメント7S26との付き合い方

先日購入したSKX013は、セイコーの低価格帯時計に良く用いられている7S26ムーブメントが採用されています。

今回は、実際に使ってゆく中での私の感想や注意点、取り扱い方法を中心に、このムーブメントの付き合い方や私の個体の精度などをまとめてみます。

※追記
 7S26が搭載されたセイコー5のうち、ビジネスユースに向くシンプルで私が欲しいなぁと思うモデルをピックアップしました。

ビジネス向けセイコー5のおすすめを独断で選んでみた

 また、もう少し上位(高価な)モデルに使用されている4R系ムーブメントについても別記事でまとめました。だいたい同じですが…

4R35、4R36、4R57ムーブメントとの付き合い方


☆本日の時計

・セイコー ブラックボーイボーイズ SKX013


〇セイコー7S26ムーブメント概要


 7S26のポイントをざっくりとまとめます。

・時間 分 センター秒針
・デイデイト(日&曜日)
・パワーリザーブ40時間
・21石
・手巻き無し
・セコンドハック無し
・21600振動/時=6振動=3Hz
・精度保証-20~+40秒
・曜日は2か国語表示

 振動数はETA2824-2よりも少しロービートな6振動。機械時計初心者の方は、数値が少ない=悪い?と思ってしまうかもしれませんが、気にする必要はありません。何事もバランスなので、精度がそこそこ出て故障が少なくてパワーリザーブが十分なバランスになっていれば良いと私は考えています。


★主要搭載モデル

〇セイコー5各種
↑結構欲しいモデルです。ブルーが綺麗なのです。シルバーならフォーマルさが求められる職場にも適しているように思います。


〇SKX007ボーイシリーズ
↑超定番低価格ダイバーズですね。SKX013も同じムーブメントです。

 挙げればキリがないですが、セイコー5のような超低価格帯から実勢2万円ほどのダイバーズまで使われています。ちなみに、同じデイデイト表示のサードダイバーズ(タートル)は、これよりもグレードの高い4R36が用いられています。



〇日付・曜日・時間の変更の方法


 ねじ込み式リューズの場合は、ネジを緩めて、そうでない場合はそのまま引っ張って、1段引くと日付と曜日の変更で、2段引くと時分の変更となります。

 日付と曜日が変わり始めている時間帯にこれらを換えようとすると、ギヤが噛み合っているのを無理に動かすことになり、一発で故障の原因となります。そこで、説明書に書かれている手順を元に、以下のように行います。曜日は、英語とアラビア語といったように、2か国語書かれていて、1日で2つ分進むようになっています。


1.2段引いた状態で、時間を進める。回転方向は時計回り。
  リューズを押す方向にまわす。それで日付が変更になるまで進める。
  ここが0時になります。

2.ここから更に時計回りで12時間進める。
  これでお昼の12時。

3.リューズを1つ押し込んで1段引いた状態に戻す。

4.時計回り(押し込む方向)にリューズを回して日付を今の1日前、
  今日が3日なら2日に設定する。

5.反時計回り(引き戻す方向)にリューズを回し、曜日を今の1日前、
  今日が火曜なら月曜の表示したい言語にする。 

6.リューズを引いて2段引いた状態にする。

7.リューズを時計回りに回して1日進める。
  これで現在の日付と曜日になりました。

8.さらに時間を進めて現在時間に合わせる。

9.リューズを戻す。


 改めて文字に起こすと結構面倒ですね(汗)

 これは、日付・曜日変更禁止時間の午後9時から午前4時にこれらを変更させないための方法になっています。慣れてくればそこを外して微調整できるようになってきますが、それまでは以上の方法を遵守した方が安全です。逆に、ここさえ守れば壊れることはめったに無いのでは?と思います。

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〇パワーリザーブ40時間は十分か?


 完全に巻き上がった状態で土曜に日付が変わった瞬間(0時)に外したとすると、40時間後は日曜16時に止まるということになります。よって、土日外しておいて月曜朝に使うのには不足します。

 これが不十分かどうかを判定をするには、皆様の使い方が大きく影響しそうです。私は、最近はSKX013を使用する頻度が高く、ほとんど止まらずに使用できています。土日を越したいという場合は、土曜か日曜のどちらかである程度使う必要がありそうです。

 ただしこれは、完全に巻かれた状態での話です。私がお世話になっている時計屋さんの話ですと『おおよそ30%は予備と考えた方が良い』とのことです。つまり、1日分24時間+16時間の予備という感じです。(60時間なら、2日分48時間+12時間の予備)
 これは、時計を外す前の(例えば夜は)あまり動かず、外すタイミングで十分に巻かれていないことを避けるために、日中に良く巻かれるときに多めに巻いておく、というイメージだそうです。そう考えると、40時間は丸1日外すぐらいは大丈夫、という程度に考えておいた方が良さそうです。

 そう考えると、手巻き機能が無いので巻き足すには振るか着けるしかない、というのはちょっと不便ですが、超低価格なことを考えると、まぁこんな感じかな?と思います。



〇精度は?


 ネットの評判を見ると、『保証範囲は-20~+40秒だが自分は±5秒ぐらいでアタリ!』というような報告があります。しかし、私の個体は日々使っている中で-15秒ぐらいで下限ギリギリといったところです。(苦笑)

 ただし、これは『使っていると』です。機械時計には姿勢差がありますので、文字盤が上になるように置いておくか、縦(しかもどの方向か?)に置いておくかで精度が変わってきます。その変わり方も様々なようで、私の使い方とはちょっとアンマッチで、マイナス側に振れることが多い、というように考えています。

 十分に調整の範囲内だと思いますし、平置き調整ではなくて、実使用の実績値に基づいて微調整してもらっても良いかな?と思うので折を見て時計屋さんに少し進めてもらおうかとも思います。(どれぐらい変わるか分からないけど、気持ち進めて!みたいなイメージ) ただ、実用上そこまで問題を感じていないので、しばらくはこのまま使います。

※追記
 どうやら私の使い方ですと『日常使いの巻き量と消費量が拮抗もしくは少し足りない』感じのようで、巻き上がり量が低めのところで拮抗していたようです。ある時、手で振ってしっかりと巻き上げてやった結果、日差-5秒ぐらいで安定しています。やはり機械時計の調整は『完全に巻き上がった状態』でバランスするようになっているようですね。



〇手巻き無しは不便では?


 たしかに不便っちゃ不便です。複数の時計を使い回すと、どうしても巻いておきたいという要望が出てきます。

 しかし、7S26を使っていますと、巻き上げの効率と動き始めの効率が良く、軽く揺すってやるだけで動き出します。ですので、細かく鋭く振らずに、ゆっくりとストローク大きめにローターが回るのを感じながら揺すってやれば使い始めることができます。
 先に結構面倒っぽい日付・曜日・時間の設定方法を示しましたが、慣れてくればどうということもないですし、これがネックだと思うなら機械時計と付き合うのはちょっと待ってほしい、とも思います。こういう、細かな注意事項や取扱いにちょっと気を使っていくことが、機械時計との付き合い方なのでは?と個人的には思います。



〇巻き上げ効率は? 


 比較が難しいですが、十分な巻き上げ効率だと感じています。少なくとも、デスクワークがほとんどで、そんなに歩かない私ですが、半日以上着用しておけば次の朝に止まっているということは有りません。

 ですので、使用前に動いてさえすれば、そこから着用すれば1日中巻き上げながら使えるという感じで使えています。



〇最後に


 基本的に7S26は、1本の時計を使い続ける人、もしくは多くても2本を交互に使う人向けのムーブメントとして設計されているように思います。

 ワインダーを使って、ということも考えられますが、数本から好みの物を選んで使うというようなタイプの人は、ちょっと面倒な日付・曜日・時間の調整も楽しみながらサッとやってしまえるようになる必要がありそうです。もしくは日付と曜日の調整は諦めるか、ですね…。

 新興国でもガンガン使われているようなタフなムーブメントで信頼性もありますし、いざとなれば中古品から移植することも可能です。機械時計を買ったことがない、という人は、機械時計との付き合い方を学ぶ良い教材として選んでみてほしいな、と思います。

やっぱり格好良いな…。欲しい。


※追記
 7S26が搭載されたセイコー5のうち、ビジネスユースに向くシンプルで私が欲しいなぁと思うモデルをピックアップしました。

ビジネス向けセイコー5のおすすめを独断で選んでみた

 また、もう少し上位(高価な)モデルに使用されている4R系ムーブメントについても別記事でまとめました。だいたい同じですが…

4R35、4R36、4R57ムーブメントとの付き合い方
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