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2022年1月26日水曜日

キングセイコー復活!本気で購入を検討する話

グランドセイコーとプレザージュの間を埋めるラインナップとして、キングセイコーが復活しました。
これがかなり魅力的でして、どういうところにグッときているか? ラインナップの立ち位置などをじっくりと検討してみます。

※もう少しこの記事は追記するかも。


☆本日の時計

・キングセイコー SDKS001




○祝 キングセイコー復活


 1960年代初頭、グランドセイコーを担当した諏訪に対し、亀戸の第二精工舎はキングセイコーをラインナップしました。そして、44GSをリリースするまではこの分担は守られました。
 手堅い構成と、手間のかかった外装+ムーブメントのGSに対して、当時の先進技術をいち早く投入したのがKSという特徴がありました。


 個人的な感想ですが、洗練されたGSに対して、野心的で挑戦的なKSは結構好きです。そんなKSが復活したのは、めでたい!



○キングセイコー復活


 さて、それで今回のラインナップです。
キングセイコーは性能・デザイン・品格を高次元で追い求めるメカニカルウオッチブランドです。
 2021年に限定版としてKSK復刻としてリリースされたSDKA001と違い、定番品、しかも「ラインナップとしてのKS復活」というニュースのようです。これはつまりですね、カラー違いに加えて、過去モデルをイメージした新作が今後追加されるかも?ということで期待が持てます。

 今回発表されたSDKS001はKSK(44-9900 大雑把に44KSとも呼ばれる)をベースにしたモデルのようです。それまでのセイコーは、1stGSや、私が持っている物であればライナー、クラウンスペシャルのように、ラウンドケースに真っ直ぐなラグが生えているようなデザインが主流でした。
ここに角ばってエッジが効いて、ケースサイドからの繋がりを感じさせるKSKが出てきて、個人的な感想ですが、以降のセイコーデザインに大きな影響を与えたモデルだと感じています。現在のグランドセイコーのデザインを決定づけた44GSはKSK(44KS)が無ければ違った形になっていたと思うんですよ。

 自分はこのデザインがとても好きで、この系統を感じさせる57GSも好きです。
 そして今回のSDKS001です。
 限定品だったSDKA001と違ってSDKS001はノンデイト。自分が持っているのがデイト付の4402-8000であるので、デイトありだったSDKA001も良かったのですが、ちょっとバランスが違うなぁという思いもありました。

 SDKS001は復刻モデルではなく、あくまで過去のキングセイコーをもとにした新ラインナップなのですが、過去モデルの影響を色濃く感じさせるデザインとなっています。
 サイズも直径37mmに厚さ12.1mm(風防を含むのでケースはもう少し薄い)と、60年代のサイズ感をそのまま(わずかに大きいかもしれないけど)持ってきました。これは渋い。ケースサイドが低いので、現行のオイスターパーペチュアル36よりもコンパクトな印象を受けるのではないか?と感じています。




○キングセイコー SDKS001の価格について


 限定だったSDKA001は約38万円。
 そして、今回のSDKS001は約20万円。限定品は雫石謹製で上位となる6L系ムーブメントを搭載していました。これに対し、今回のSDKS001は最近のダイバーズモデルに採用されている6R系でノンデイトの6R31を搭載してきました。
 これまで、セイコーのインフォーマルモデル(プレザージュ)は、6R系を搭載している高価なラインの普通のモデルで約12万円でした。また、限定などで高価格化する際には、ダイアルに特別な素材を用いてきました。これに対し、今回の復活KSは、近い構成のプレザージュより価格設定を高くしてきました。

 さらに、ほぼ同等のムーブメントを搭載し、防水性能がSDKS001より高く、回転ベゼルなどの価格上昇要素を持ちながら約14万円のSBDC101。

 まだ現物を見たことが無いので予測ですが、今回のKSは仕上げ面でかなり手間をかけているのではないか?と考えています。



○今回の発表に至る流れを考察する


 最近は過去の名作をベースにした魅力的なモデルをリリースしているセイコーですが、以前の低価格帯は下手でした。(暴言)
 というのも、「ゴールドフェザー」の復刻も「雰囲気もあって悪い時計ではないが、名前はゴールドフェザーでなくてもよかったのでは?」というものです。

 潮目が変わり始めたのが、サードダイバータートルの復刻あたりかな?と。

 ファーストダイバー現代版SBDC051で、好評ではあるけどアレンジが強いところがありました。これは限定版との差別化が目的だったりしました。人気だったのに短命となったSBDC051系は、当時のモデルの印象を強く引き継いだSBDC101となり、これまた現在のセイコーダイバーズの顔になっています。

 SBDC101と、それと同時に発表されたSBDC109の特徴は、当時のモデルの印象を色濃く、そして上手く取り込んだ点と、コンパクト化に進んだ点でした。

これがターニングポイントだと思っています。「オリジナリティを付けなければならない」「大きくないと売れない」という呪縛が解けたのか、コンパクトで魅力的なモデルとして、キングセイコー復刻に繋がったと考えています。



○最後に


 シンプルなデザインに、しっかりとした仕上げが施されている時計は、普通なんだけど説得力があります。今回の新モデルがそういったモデルに仕上がっているのならば、高級時計の入り口として非常に良いラインナップになると考えます。

 ほんとに欲しい。実物を見てじっくり検討したいと思います。