クロノス日本版が発売になりましたので購入しました。
前回紹介しましたところ反響をいただきまして、ご迷惑おかけするかなぁ?なんて思っていた編集長の広田様も巡回いただいたり、黙認(?)いただいたりしたので、調子に乗って今号も紹介します。
☆本日の紹介品
・クロノス日本版 第86号(2019/12発売)
〇ざっくりとした内容
今回の話題の特集は「資産価値としての時計を考える」でしょうね。かなりの紙面が割かれています。
私が個人的に『今回の私がクロノスを買った理由』は、「基幹ムーブメント3.0」の特集です。A.ランゲ&ゾーネ話題の初SSモデルでスポーツウォッチの「オデュセウス」の紹介や、ブライトリングのミドルレンジ「アベンジャー」の新型紹介、これでもか!っていうぐらいクレドールの写真が続く特集など、見どころたくさんです。
あとこれに、新聞状の(後で紹介します)モリッツ・グロスマンの別冊特集が付属します。
〇「資産価値としての時計を考える」特集
予告が出た際には『クロノスがそれをやるのか!?』と話題になりましたが、クロノスらしい切り口の記事でした。
まずは圧倒的な情報量。次に、中古市場価格に影響を与えるオークション関係者への、これでもか!!というほどの取材です。そしてそれらを総合して、時計の資産価値が認められて、その流通価格が高止まりした時に起こりうる状況について色々な面から検討しています。もしくは、流通価格の高止まりは、新品を製作するメーカにとってどんなメリットがあるか?でしょうか。
印象的だったのは、何人かのオークション関係者が『自分が、真に好きな物に向き合って、熱量を持って向き合うことが重要』であるとし『そういう人に思わぬ利益をもたらすのも確か』というのは、面白いことだし、自分スタイルにも近い所があるので、自分は自分のスタンスで進もうと感じたところです。
〇「基幹ムーブメント3.0」特集
さて、自分の読みたかった記事です。ここだけでもかなりの密度があり、これを読むような数寄者なら当然知っているような基本的な内容を添えれば、ちょっとしたムック本に仕上がるような感じがします。
最近話題の多いチューダーとシャネルに、ファンからの支持が厚いブライトリングの新型ムーブメントは、基本設計は共通で…というお話。結構気になっているモデルが多く、興味深く読んでます。
この記事なんてね、オメガのスピードマスターに搭載されるクロノグラフムーブメントをずらりと並べて、外観からはほとんど差が分からないが、詳細はとんでもない違いというのを解説していくわけですが、ある程度の知識がある私でさえ『んん?? 調べてみよ…』となるようなエンジン全開っぷりで説明されていきます。「スピードマスターほしいぃ」ってなります←
ブログへの写真掲載枚数が多くなりすぎるので省略しましたが、各社の軸となるムーブメントについて全体写真と一部の部品拡大写真が掲載されており、アーカイブとしても十分な価値があります。これは読み込みつつ調べて勉強する教材として取り組んでみようかと…。
〇「モリッツ・グロスマン」の別冊付録
こちらもなかなか内容が濃いです。
各ムーブメントと、ムーブメントの製造工程を紐解きながら、各担当者にスポットを当てて紹介されています。(数は少ないでしょうが…)ユーザーさんは『この人たちが、こういう工程で作ってくれたのか』と感慨深いと思いますし、欲しいなぁと思っている人にとっても、重要度と言いますか、思い入れのポイントになるのではないでしょうか?
〇クロノス日本版について
相変わらずの情報の濃さですね。まだ全然読み込めていないので、ゆっくりと読みます。(というか、前号も結構読んだけど、まだまだってレベルで…)
私がクロノスに感じるのは、情報強度が高いということです。(そこらへんでの造語だと思います。)イメージとしては、例えばこの号をある一定期間後に開いたとして、そこに書かれている情報がどれだけ役に立つか?ということです。当然、時間が1年より2年、3年と長くなるほど、情報の価値はなくなりやすいです。(逆に何十年も経てば、当時の情報が分かる重要性が増しますが) その観点から見ると、特に基幹ムーブメント特集は、基幹ムーブメントがコロコロ代わらないという特性も相まって、価値があるのではないか?と感じました。
本屋さんで見かけたらぜひ。