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2020年7月28日火曜日

時計は人脈を生むのか?に対する自論

最近は減りましたが『時計が人脈を呼ぶ』などと言う人がいます。また、『高級時計は人に品格を与える』などと言っている人が未だにいるようです。(そして時計を売ろうとする)
これに対して、自論を述べるのが今回の記事です。

『時計が人脈を呼ぶ』が正しいのか否か?について私の結論を先に書けば、そこには論理の飛躍があって、発言者がその論理を示せないならば妄言にすぎません。そんなマジックアイテムなわけないんです。

しかし、元々その言葉の奥にあった考察を理解すれば、示唆に富んでいると感じます。

もし上記のようなことを言う人がいるならば『なぜ時計なのか?』を問うと良いでしょう。そのあたりを書いてみました。


話は、時計ではなく、職場の後輩と共通の話題を見つけるきっかけとなった、モラールパッチから始まります。



☆本日の時計

・Grand Seiko 5722-9990 (セカンドGS)


〇モラールパッチ あるいは好きな物を表明する役割


スリムでスパルタンな見た目が気に入っているタスマニアンタイガーのリュックで通勤しています。このバッグのひとつの特徴は、モラールパッチと呼ばれるワッペンを貼るベルクロが付いている点があります。

モラールパッチとは、軍で所属を表すワッペンから派生し、好きなデザインやスラングを着けたり、ミリタリーショップオリジナルやサバゲチームで揃えたり、と楽しまれています。私はここに、自分が好きなゲーム(デレステ)で登場するユニット、individualsのワッペンを着けています。
このユニットは、それぞれ個性的な面々が、その個性を最大限発揮しながら高めあって、新たな個性を発揮している点が好きです。もともとは、その中のメンバーが気に入っていた、って理由がありますが。

このワッペンはオリジナルデザインで、このマークは作中には登場していなかったはずです。でも、作中のイメージをよく表していて気に入っています。



〇職場で心配な彼との共通項を見つけたい


 さて、数か月前に私の配置転換があって、別のチームで仕事をすることになりました。仕事内容はほぼ同じなので苦労は少なめですが、それでも新たな面々と信頼関係を作ってゆかなければならない点に気を使います。

 異動先に過去に関わったことがある人もいて、私にとっての新チームのメンバーについて、少し話を伺いました。そのメンバーの中に、心配されている人がいました。

 彼は、1年ほど前から畑違いの仕事に取り組むことになり苦労しており、真面目で抱え込む性格です。その彼の上司が、彼の導き出した調査結果について細かく根拠を求めるものですから、根拠の正当性を示すための根拠を調査することとなり、どんどん本筋からズレてしまい、彼も方向修正できずにいて、このままだとつぶれてしまうのでは?と周囲から思われていたようです。

 たしかに、私の目にも辛そうに見えますし、自信が感じ取れません。


 大雑把に言って、私に期待されることは、彼のサポートとして入って方向性を示すことです。彼と会話すると、真面目なので雑談もほとんどせず、性格から自分の趣味などについても話さなさそうだと感じました。

 先日、彼と帰宅タイミングが同じになりました。少し会話しながら歩いていますと、彼は私のバッグを見て『あっ』と声を上げました。


 突っ込みポイントとしては、件のモラールパッチぐらいしか思い当たりませんでしたので、どうしたのか?と聞くと、彼もデレステをプレイしているようでした。

 この瞬間、『共通の雑談テーマ』が生まれたことになります。

 ここからどのような関係に発展するかは不明ですが、この『とっかかり』ができただけでも、私はこのモラールパッチを着けておいた価値があったと感じています。






〇時計は話題の起点になりうる


 何が言いたかったかというと、時計も、これぐらいの偶然を起こすことができたら、十分過ぎじゃないかね?ということです。

 時計は、『その話題に反応できますという意思表示』となって、実際に一言二言、会話が生まれたならば、それは素晴らしい出来事だと感じます。



〇時計は人脈を生むのか?に対する私感


 最近は減りましたが、5~10年ぐらい前は、高価な時計が人脈を呼ぶから買うべきだ、なんてブログ記事やインフルエンサーの発信がありました。(高級時計を買う人は、そういう人ばかりだと思って、敬遠していた理由でもあります…) いまだに、自分の品格を上げるために高級時計を買おうなどと表明する記事なんかがあるようです。(品格を上げて、人より優位に立ちましょう、というのがバックボーンにあるようです)

 個人的な意見を言わせていただければ、素晴らしい人脈や人の厚意が、たかが50万や100万で買えると思うなんておこがましいですし、ましてや品格が買えると思う方が品格に欠けます。






〇重要なことは『自分が何を選ぶか』


 先にも書いた通り、私はindividualsのモラールパッチを選んだ理由を語ることができます。知っている人ならば、そのワッペンを見れば、私のバックボーン(ここではどんなユニットが好きか)を読みとってもらえそうです。また、同じ『担当』の人がいれば盛り上がれそうです。

 時計も同じで、時計が好きな人ならば、それを選んだ背景が存在するはずです。その人にとって高価な時計であればあるほど、購入や選択に熟考を要します。(本人は大したことがないと思っていても…) 論理は飛躍しますが、熟考は品格を生むと私は思いますよ。
 そして、好きな者同士であれば、それらが透けて見えます。



〇人は共通項があれば打ち解けやすい


 相手の趣味趣向や考えが透けて見えたと思っても外れていることも多いでしょう。しかし、会話や予想のとっかかりとなります。おそらくそれは、苗字や訛りから出身地を特定したり、手のひらから職業を類推するよりも(好きな人ならば)簡単なはず。共通項が見つかれば、おのずと話しかけやすくなり、打ち解けやすくなるのは、コミュニケーションスキルの基本のひとつです。

 最初に『時計が人脈を生む』や『時計と品格の関係』について発言した人は、『とっかかり』を可視化することにより、他人から共通項を見つけてもらいやすくする要素として、時計はマッチする点に着目したのではないか?と私は考えています。なので、その最初の人の発言について文脈を精査すれば、それは『筋が通っていた』可能性はあると考えます。結構これって、示唆に富んだ話だと思うのですよ。

 しかしそれが独り歩きして、時計をマジックアイテムのように売り込む人が現れて、話が変になったのだと、私は考えています。(言葉の上っ面だけを拾ってきて、自分の都合の良いように言い広める… 良くあることです)

 一方で、時計がきっかけとなって繋がりが生まれた例はTwitterを見ると多くあります。このブログの、こんなポエムな記事をここまで読んでくれている読者の方と私が繋がったのも、時計が縁です。
 そうやって繋がっている人々を見ると、人脈のために時計を買ったりしていません。それぞれが本気で悩んで買った時計や選択に共感を覚え、興味を持って繋がりとなった結果だと感じるのです。



〇最後に


 私は、自分のために時計を身に着けます。ここで言う自分のためとは、単純に自分が好きな時計を選んだり、服装や自分の体形とマッチしていると感じて満足感を得たり、その場に相応しいと思える時計を選んで楽しむことを指しています。

 対外的な目的で時計を着用するならば、それはおそらくモラールパッチのような役割を果たしてくれれば十分だと感じます。万に一つ、それが起点となって話題が生まれたならば、とても素敵なことだと思うんですよ。対人関係において、それ以上のことを時計に求めるなんて、欲張りじゃないですかね?



就活にグランドセイコーって変ですかね?って話も見かけたことがあります。これも自論ですが、それなりに距離を取って面談した際に、相手の時計がGSだと判別できる人は相当な時計好きで、打ち解けられるならラッキーで、嫌みを言われるような会社は…と感じます。もし、何か聞かれたら、その時計に対する思いや、「GSが似合う社会人になる決意表明」なんてストーリーを語れる方が、よっぽど評価されると思っています。


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