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2018年5月13日日曜日

『新社会人になって高価な時計を買う』のは必要なのか?を考察する


時計雑誌やファッション雑誌、もしくはビジネスとかライフスタイルを扱う雑誌を見ていると、『社会人になったらお金をためて高価な時計を買う』というような記述を見ることがあります。

それって、本当のところどうなんだろう、と思うことが多く、私のいる環境を元に考察してみました。特に、地方都市に拠点のある技術系に就職する人に向けて考えてみました。

私の考えが正しいと断言するつもりはありませんが、自分の環境がどのようなところか、ということを考えて上で、『時計を買わなくてはならないのか? そんなことは無いのか?』とか、『自分が時計が欲しいと思う気持ちは本物なのか?』を考えてから購入の判断をしても遅くないのでは?と思います。そのような内容を記事にしました。

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☆本日の時計

・ROLEX オイスタープレシジョン Ref.6427


〇良く言われる『時計を買うことのメリット』


 記事などで見かけるメリットは以下のようなものが取り上げられていることがあります。

・ビジネスマンとして最低限のマナーである
・時計でその人のランクが見られるから良い物を付けるべき
・時計でお客さんと話が盛り上がった
・高価な時計を買って仕事の活力になる


 まぁ、全体的に間違っているとは言いません。もう少し詳しく考えてゆきましょう。


〇私の住む環境


 私は地方都市に拠点のある技術系の職場で働いています。ほとんどの人が車通勤や自転車や徒歩通勤です。ですので、電車内で周りの人の腕時計が気になったり、自分の腕時計を見られたりする人は少ないです。顧客と会うことが稀な人がほとんどで、どちらかというと出入り業者さんや、自分が買う立場として人と会うことの方が多いです。

 地方都市ゆえ、自動車を保有していないと行動範囲がかなり狭まるため、自動車の保有が必須と言って良いでしょう。


〇雑誌が基準とするライフスタイルとの差


 雑誌を読んでいて良く思うのが、基本的に東京、もしくはそれに準ずる大都市部のオフィスで働く人をターゲットにしている記事がほとんどである、という点です。そのような人が相当数いることは承知していますが、私はそのような環境からは大きく離れています。

 人口的な割合の統計を調査したわけではありませんが、都市部に住んで電車通勤でオフィスに向かう人に対し、地方都市で私のような外部の人とのかかわりが少ない部署で働く人も相当数いるのではないか?と思います。(私の住む工業都市ならなおさらです)

 私の働く会社の給料は高額ではありませんが、日本の平均から見ればそこそこの額をいただいて(と考えなければ、もっと少ない人もたくさんいると思うので失礼だと思っています)いますし、私の働く会社よりももっともっと給料の良い会社が近くにあるので、地方だから給料が大幅に低い人しかいないということは無いです。(あのトヨタ自動車だって都心部ではありませんしね…)


〇前提となる収入を考える


 日本の平均的な大卒初任給は21万円程度だそうです。う~む、そんなもんだったけか…。入社3年間の平均を少し高めに見積もって25万円/年としましょう。これでも工業系ならなかなか高めだと思います。(一般的にはここに残業代が付加されますが…。また、私の知る限り工業系の会社で給料が高い会社でも、大きく伸びてくるのは3年目以降、5年目ぐらいからですので、最初の1~2年は各社で大きく変わりません。)
 東京に拠点を持つ給料が良い会社であればもっと高額なところもあるでしょうが、私の知るところではありませんので、これぐらいの額をベースに考えます。


〇地方都市で支出を考える



 先にも書いた通り、地方都市で暮らす場合は自動車の保有はかなり重要度が高いです。別段、車を必要としない都心部での暮らしと大きく異なるのが車の維持費ではないか?と思います。ですので車の維持費を考えてみます。
 そんな地方都市に暮らす私の勤める会社の新入社員では、車好きで高価な車を購入する人もいるかもしれませんが、私の周りを見ると、おおよそ乗り出しで150~200万円ぐらいの車を買う人が多いように思います。それ以上高価な車は2台目からでしょうか。私の身の回りを見る限り、社会人1年目で300万円の車というのは、かなり頑張った方です。

 この車を5年維持したとします。車検を2回です。

車両購入費用: 200万円
車検費用: 10万円×2回
保険費用: 6万円×5年
自動車税: 4万円×5年

 以上を足して1年分に割り算すると、54万円/年となります。ここにガソリン代や高速代、オイル交換、タイヤ交換、消耗品購入などを考える必要があるので、60万円を超えてくることは容易に想像できます。月にして5万円です。


〇新社会人が必要となるお金


 東京在住の人で車を購入するというのは、結構な車好きではないか?と思います。都市部の場合は駐車場代も考える必要があるので、さらに維持費がかさみますので、車と高価な時計の両方を購入するというのは結構な負担になります。
 ですので、ここでは都市部に在住する新社会人は車を買わないと仮におきます。会社によって異なりますが、都心部の方が家賃は高いが家賃補助なども考えられますので、ここでは簡単のために地方とほぼ同等と仮におきます。

 そうすると、地方都市に住んでいる人は都市部在住の人に比べて、車を維持する分だけ最低でも1年で60万円、2年で120万円程多く必要になります。おや?1年でROLEXのオイスターパーペチュアル、2年でシードゥエラーぐらいになりますね。

 都市部に住んでいる人が地方都市に住む人より余分にかかる費用については考えていませんが、少なくとも地方都市に住む人は車を所有することで1年でROLEXが1本買える程必要になるわけです。この点は考慮すべきです。


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〇時計を買うメリットって何だろう


 ここで最初に述べたメリットを見ましょう。

 私は技術系で、会う人は業者さんとか測定機などの営業さんがほとんどです。そういう人々の腕時計を見ても、おっ!と思う時計を使っている人は極めて稀です。というか見た記憶がありません。

 営業さんの立場(逆の立場)から見ても、私の印象は、良く言われる『営業ならば時計を』という話とは異なると考えています。

 というのも、技術系で商品を購入する場合、ほとんどは『そこの製品で出来る事』や『その会社のアフターサービス』『技術支援』 『測定器と処理装置の通信などの使い勝手』などの『商品性』に着目して、言うなればカタログ情報を基準にして商品を選ぶことがほとんどで、営業さんと会って人柄で選ぶということがほとんどないということが要因としてあるのでは?と私は考えています。

 ものすごく失礼なことを言えば、営業さんに問い合わせればカタログに載っていない細かな使い勝手の部分や、適した商品選択さえ教えてくれればよいし、別に挨拶に来てくれなくても、必要なときに呼べば飛んできてくれて、サンプルを素早く出してくれる会社であれば良いわけです。

 私の感覚だけ言えば、その人の身なりがどうであれ、商品が魅力的で対応が良ければよいわけで、人を見てどうこう判断することはありません。これは私に限らず、上司もほとんど同じような考えを持っていると思います。(上司といっしょに営業さんと会っても、会話になるのは商品の内容だけ) もっと言えば『あそこの商品を選ぶしかないが、営業さんの動きが遅いのだけがネックだ』みたいな話もあります…


 とすると、その営業さんがどんな時計をしていようが関係ないわけになってしまいます。(例外的に、取り扱い業者が複数あるメーカの商品で誰から買うか、という選択は出来たりしますが、結局は対応の速さや正確さだけが選定基準になっていたりします。) とすると、雑誌記事で見られる『時計で話が弾んで』ということは私は経験したことがありませんし、自分の上司(エクスプローラ愛用者)にヒアリングしても、そんなことは無いという回答が得られる自信があります。


 先日の記事にも書きましたが、私の職場は腕時計を着用していない人も多いです。着用している人も『それがマナー』と考えているよりも、自分の利便性を考えての選択や、自分の趣味で身に着けている人がほとんどです。そう考えると、営業さんが時計をしていようがしていまいが関係なく、メールや電話に対応してくれればそれでよいですし、腕時計も着けていないような営業は信用ならない、なんて感覚は全くありません。


〇それでも時計が欲しい


 それでも時計が欲しい、という人を止めることがこの記事の本意ではありません。私も腕時計が大好きですので、そういう人は是非とも良い時計を選んでほしいと思います。

 しかし、社会人になったらとりあえず買わなきゃ!というのは少し違うように思います。私の働く環境が非常にラフであるため、すべての職場がこのような環境であるとは全く思いませんが、そんなにレアケースではないと考えています。ですので、自分の置かれた職場環境をよく見て、必要でないのであれば無理に買う必要は無いと私は考えています。

 最初の数年の収入は貴重です。そのお金で他の趣味で会社の人と楽しんだり、新たな出会いや自己研鑽もできるかもしれません。時計を買わずに早くに車を買って出かけた方が、新たな発見も得られるかもしれません。
 そのような趣味は無くても、食費を削って時計を買うよりも、健康的な食事を取って体調を整えた方がよっぽど有益だと考えることもできます。


 このような時計購入に対するネガティブな考えを振り切って、やはり趣味の時計が欲しいという人は『いらっしゃいませ』歓迎いたします。自分の頑張りが日々身に着けるものに変わり、それが日々の生活の相棒になるという感覚は何物にも代えがたい物です。私はそのような感覚が大好きです。そういう人は是非とも応援したいと思います。

 この記事では、私の住む環境をベースに地方都市で車を持つ人が、都市部で車を持たない人よりも、車の出費について多くの費用が必要であることを考えました。逆の見方をすると、車が必要でなければ、年間60万円程の余裕が生まれる余地がある、とも見ることができます。そうすると、なかなか高価な時計も視野に入れることができるため、自分の頑張りの証として時計を選択するのは確かに妥当な選択とも考えることができます。

 さて、
 この記事を読んで、それでも自分は時計が欲しいのだろうか、ということを少し考えていただければ、それだけで私は満足です。


とか言いながらこういう本を読んだりするんですけどね。

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