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2018年9月13日木曜日

[コラム]Bell&Ross BR V1-92 Black Steelが良さげって話

雑誌やネットで見かけた『独断と偏見で選ぶ魅力ある時計(ただし買えそうな価格帯で)』をピックアップしてお届けする本コーナーは、本日はBell & Ross BR V1-92 Black Steelを紹介します。
Bell & Rossは四角くて大きなモデルが有名ですが、こちらはコンパクトでシャープで、ヴィンテージ感の溢れるモデルになっており、非常に魅力的に感じました。


ありそうで、探すとなかなかない、カジュアルやミリタリーにも、スーツにも合わせやすい1本に仕上がっていると感じました。
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〇この記事は


 普段は手持ちの時計や、その時計と服装との組み合わせを紹介しています。そんな時計好きな私が、雑誌や各種ウェブサイトで見つけた『魅力ある時計』を、自分が買うとか買わないとかはさておいて、どんな魅力があるか深堀してゆこうというコーナーです。(自分が買える範囲内の価格帯でのご紹介です。)


〇本日のご紹介はBell&Ross BR V1-92 Black Steel


 これはたしか、雑誌でチラッと、本当にチラッとだけ紹介されていたのが気になった、というのが知ったきっかけです。その雑誌での取り扱いは、オモテ面だけの小さな写真で、こんなのも発売されているよ、という程度の扱いだけだったのですが、私の中のBell&Rossのイメージが、デカくて四角いイメージだったので、こんなのもあるのか!?と驚いて、ネットで調べた、という経緯があります。


〇Bell&Rossについて


 Bell&Rossはフランス発祥の会社(製造はスイス)で、大きく真四角で航空機のメータデザインそのままな形が特徴的なモデルが有名です。私の中のBell&Rossのイメージもこれですね。というか、これがあまりにも特徴的で印象的すぎるので、私は他のモデルにあまり注目できていませんでした。

フラッグシップのBR01は一辺46mmと超大型です。確かに格好は良いのですが、私には似合いそうにありませんね。(42mmと39mmというのもあります)

 真四角なデザインが好きならばBell&Rossしかない!という説得力があるInstrumentsシリーズと、今回紹介するBR V1-92のコンサバなモデルを擁するVintageシリーズがあります。


〇BR V1-92 Black Steelについて


 BR V1-92 Black Steelは、Bell&RossのVintageシリーズに分類され、非常にクラシカルで渋いモデルが多数ラインナップされています。実は、元々はこのVintageシリーズに分類されるようなモデルを中心にBell&Rossは拡大していったようで、そこに大きなBR01のヒットで知名度を獲得した、というバックボーンがあるようです。


そういう背景を知りつつラインナップを眺めますと、なかなか全体的なバランスの良い非常に渋いデザインが多いですね。完全オリジナルデザイン、と言うには躊躇われる見覚えがある感じがありますが、独自アレンジもされていて、私は良いなと感じました。

 そんな中で、2017年に追加されたのがBR V1-92です。


国内定価27万円弱、並行輸入品の実勢価格は20万円を切っています。

 スペックは、自動巻き3針デイト、ケース径38.5mm、厚さ約11mm、ラグ幅20mm、ドーム状のサファイアクリスタル風防、パワーリザーブ38時間、100m防水といったところです。

 ムーブメントはBR-CAL.302で、元々はETA2892(ETA2824の上位ムーブでより薄型)を使用していたために、モデル名が92となっている(たしかにGMT付モデルが93でETA2893というつながりもある)とされていますが、現在はセリタのSW300-1がベースではないか?とされています。(参考サイト

 ETA2892およびSW300-1は、自動巻き3針デイト付モデルに良く使われるETA2824-2もしくはSW200-1よりも上位の薄型のムーブメントです。

 時針はドイツ系のパイロットウォッチに多く見られるダイヤ、分針は長くて端まで届いた真っ直ぐなペンシル。夜光もしっかりで黒文字盤とも相まって視認性は非常に良さそうです。日付は4時半位置に小さく設置されています。個人的にこれが好印象で、3時位置に置いて3のインデックスの邪魔になったり拡大ガラスが付いてしまうよりも、左右対称デザインに見えるように配置されていて良いなと感じました。


〇BR V1-92の私の思う魅力


 なにより、ケース径38.5mmというのが良いですね。手首サイズが18.5cmほどの私でも、シンプルな3針のビジネス系時計で40mmというサイズはギリギリといった印象で、できればもう少し小さい方が良いと感じております。ですので、腕の太いヨーロッパ人ならまだしも、私よりも腕が細めな方にはこれぐらいのサイズがベストマッチではないか?と考えています。(昨今の流行から考えると36mmは少し小さめに感じる。)

 また、小さめの時計が再注目されてきている、というのがここ最近(2018年)だそうですが、まだそれほどモデルも多くない中での投入というのは、ファッションに敏感なフランスらしいとも言えます。

 風防も含めて厚さ11mm、ケースだけならもう少し薄く仕上げたこの時計は、古い手巻き風の雰囲気もあり、このような薄くてシンプルな時計が少ない現在では魅力的に感じます。


 革ストラップとの相性も良く、デザインからもNATOストラップとの相性も良いですね。Bell & Rossの得意なミリタリー系のイメージで、ミリタリー系の服装に合わせるのも良いですし、ここまでシンプルな雰囲気であればスーツにも綺麗にマッチします。薄さとコンパクトさ、デザインのシンプルさが活きてくる感じです。


 価格は国内正規26万円と、私の感覚では少しお高め。並行輸入品で20万円を切る値段もさすがに安いとは言えませんが、カーブしたドームサファイアガラスと、それを活かした薄型のケースに収めていることを考えると、価格なりの工夫を感じます。それに、時計の価格が全体的に上がっている昨今を考えて、独自性のある他にはない魅力を持ったBR V1-92は十分に競争力のあるモデルだと感じました。

 特に、スーツにもカジュアルにも、さらにはミリタリー系にもマッチする懐の深さはあまりライバルがいない(近いサイズのライバルは、もう少しスーツ向け寄りかカジュアル寄りのどちらか)ように思いますので、そういう意味での使い回しの良さや、1本でこなせることを評価すれば、有力な選択肢になりそうです。
 ものすごく大雑把なことを言えば、ヴィンテージのエクスプローラーⅠの系統に近く、ファッションとの合わせ方もそれを参考にすればマッチすることでしょう。

 メンテナンスについてですが、一般論で申し上げると、ETA2892の代替ムーブであるSW300-1であれば、オーバーホールのできる時計店であれば対応可能です。実績もあるムーブメントですので、故障の心配もさほどないのでは?と想像します。部品供給を考えれば正規品を買う方が安心ですね。その場合はメーカでは5万円程度のオーバーホールとなっているようです。


〇最後に


 個人的に、かなり魅力に感じました。コンパクトなケースで、ケースサイドがスッキリと、大きくシンプルな文字盤、シンプルで見やすい針、様々なファッションスタイルに合わせやすいデザインと、おすすめポイントが多いですね。今後、価格差は控えめでブレス(5連とか?)モデルも用意されれば、かなり競争力も上がると思います。

 よりビンテージっぽい文字盤や、よりパイロットウォッチっぽい文字盤デザインもラインナップされています。それぞれに良い感じですが、個人的にはこのBlack Steelが一押しですね。

 こういう時計が評価されてきて、各社から投入されれば、私などは非常にうれしいのですが、今後の動向が気になります。



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