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2018年9月18日火曜日

[腕時計]ワインディングマシンの必要性を考える

自動巻きの機械式腕時計を、良い状態に保とうと考えている中で、ワインディングマシンに行き当たった人も多いかと思います。
ワインディングマシン(ワインダー)の必要性を考える
ワインディングマシンとは、ぐるぐると機械が回ってくれて、腕時計を着用しなくても自動巻き機構を活用して巻き上げてくれる装置ですが、これって本当に必要・有用なのでしょうか?

そんな内容を、実際に購入して活用を始めた私がまとめてみたいと思います。


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〇ワインディングマシンとは?


 ワインディングマシンとは、大雑把に言って時計を固定するとモーターでぐるぐると回転してくれる機械です。ウォッチワインダーとか単にワインダーとも書いたりします。以下では文字数の都合で、ワインダーと書くことにします。
 自動巻きの機械式腕時計についての詳しい説明は省きますが、自動巻きとは、腕に着用した時の動きでおもりを動かしてゼンマイを巻き上げる仕組みになっています。その腕時計をぐるぐる回してくれる装置に取り付けることで、腕に腕時計を着用していなくても、時計のゼンマイを巻ける、という装置になります。


〇ワインダーを使うメリットは?


 機械式の腕時計は、ゼンマイが緩みきってしまうと止まってしまいます。止まってしまうと再度時間設定や日付設定が必要になり、手間がかかってしまいますので、できれば止めたくありません。ですので、ワインダーで巻き足してやることで、そのような不便を解消しよう、というのが大まかな要望です。

 今回、購入してみた物はアビエスのVS-WW022になります。

 こちらの商品の詳細なレビューは以下に記載しました。

 [レビュー]アビエス VS-WW022を購入しました。



〇ワインダーは必要なのか?考える


 すべての人に対して、必要とか不要とか断言するのは難しいと思います。私は、ワインダーを購入してしばらく運用してみて、活用できそうな人と、お勧めしない人に分けることができると感じました。


☆活用できそうな人

・数本の時計を使い分け(ローテーション)する人
・使っている時計が良く止まってしまう人
・巻き上がり状態を維持して精度を高めたい人
・機械時計がコチコチ動いているのを見るのが好きな人


☆(個人的に)お勧めしない人

・長期保管庫として使いたい人


〇活用できそうな人


・数本の時計を使い分け(ローテーション)する人

 自動巻き時計や、手巻き時計、クオーツ時計等を複数本所有して、それらを使い分ける人は活用できそうです。当番制だけではなくて、雨の日用とかも含まれます。
 そのような人は、着用の可能性のある数本のうち、その日に使わない時計をワインディングマシーンにセットして巻いておいてもらう、という使い方ができます。

 逆に、ワインダーを使わないとすると、使わない腕時計は手巻きか手で振って巻き足してやる必要があります。私もそのようにして運用していましたが、手で振っただけでは十分に巻けておらずに止まってしまったこともありました。また機械によっては手巻きできない物もあります。セイコー5に使われている7S26あたりが有名です。


 ワインダーでしっかりと確実に巻き足すことができれば、使おうと思っていたら止まっていた、ということが避けられて便利です。


・使っている時計が良く止まってしまう人

 普段、ほとんどデスクから動かないという人の中には、使っているのに夜中に時計が止まってしまうという人もいらっしゃるかもしれません。これは、動きが少なすぎるという理由と、その機械の仕組みとご自身の生活習慣がマッチしていないという理由が考えられます。
  普通に使っていれば巻き上げ不足が発生することは稀だと思いますが、着用時間が短い、巻き上げ効率が良くないなどする場合には、夜中に止まってしまう方もいらっしゃるかもしれません。これは非常に不便です。そういうのにお困りの方は、ワインダーで巻き足してやるのは有用です。


・巻き上がり状態を維持して精度を高めたい人

 機械式腕時計は、ゼンマイが巻き上がった状態が精度が安定し、その状態で調整がされている場合がほとんどですので、ワインダーで巻き上がった状態を維持して、精度を維持するのに有用です。


・機械時計がコチコチ動いているのを見るのが好きな人

 気持ちはわかるので何も言いません。導入してください。


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〇(個人的に)お勧めしない人


・長期保管庫として使いたい人

 長期保管、つまり、全く使わないのにワインダーで巻き続ける状態を、なぜ私は推奨しないか説明します。

 ワインダーを推奨する説明には、常に機械を動かしておいて状態を保ち、潤滑油を均一化して、固着を防ぐ、ということが書かれていたりします。これって本当なのでしょうか?

 時計専門の知識ではなく、機械系の大雑把な知識で申し上げることになりますが…。
 潤滑油の劣化は時間と熱と剪断・摩擦(ギヤによるもの)が主だと考えられます。ですので、動かしているから潤滑油が良い状態に保たれるか?と聞かれると疑問を感じます。
 また、動かさないことによる潤滑油の不均一ですが、そんなに垂れるような使い方をしているとは考えにくく、たしかに何年も放置するのは良くないと思いますが、数週間や数カ月で偏りが出るとはちょっと考えにくいです。何年も保管するのであれば、動かさずに置いておいて、使用前にオーバーホールする方がよっぽど良いと考えます。

 機械が動くということは、少なくとも摩擦が発生して摩耗が発生するわけですから、使用していないのに摩耗だけ発生させるというもったいない状態になると私は考えています。ちなみに、私がお世話になっている時計屋さんの弁ですが『ワインディングマシーンでずーっと動かしていた個体と、放置していた個体のどちらが欲しいかと問われたら、迷わず放置していた個体を選ぶ』とのこと。


 では、どれぐらいのスパンで使用するのならワインダーを使うか、という点ですが、導入コストと、時計が無駄に動いている期間、時刻調整の手間等のバランスから、私が独断で申し上げます。ちなみに、私が実際にワインダーを使って巻き上げ量を実験的に求めた結果と、一般的なパワーリザーブの量も併せて検討しています。


 土日だけ時計を使用するのであれば、普段は時計が止まっても気にせず、使う前に手巻きや時計を振って準備した方が良いでしょう。この巻き上げにワインダーを使うのはアリかもしれません。

 その時計を中3日ぐらいで使いたい、ほぼ毎日使うけど巻き上げが足りないという人は、ワインディングマシーンに巻き上げながら保管しておいて、使用する時に出す、というのであれば、利便性が高いです。

 参考になりますでしょうか?
 

〇自動巻き時計を手巻きすることの是非


 自動巻き時計をリューズを使って手巻きしない方が良い、といわれています。理由は、以下のケイアイウォッチさんのyoutube動画を見ていただくと分かりやすいです。

ケイアイウォッチ|自動巻き時計をリューズで巻かない方がいい理由

 私はこの見解を支持しています。

 とはいえ、何回か手で巻いたからっていきなり壊れるって訳ではなく、長いスパンで見た時の耐久性に差が出るというレベルです。まぁ、ただ、そういう小さな積み重ねに注意するというのが、機械時計との付き合い方だとも思います。手で巻くときはゆっくりと、そして不要に巻かない、ということを注意して損はしません。


〇最後に私の見解


 私の考える活用できそうな人と、お勧めしない人をご紹介しました。

 絶対必要、というものでもなければ、絶対に不要、という物でもないように思います。
 時計のローテーションを組むために最大限活用するもよし、普段は電源をオフにしておいて、次の日に使いたい時計をワインダーにセットし翌朝に巻き上がった状態の時計を着用する、という使い方だって良いと思います。

 極端なことを言えば、ワインダーのモータの磁気を嫌って全く使わない、というのも趣味としての機械時計との付き合いとして正しいと思います。また、全く逆に、ワインダーを買って運用してみて、便利さに満足感を得るというのも趣味の機械時計の楽しみ方のひとつだと感じます。

 私個人の意見を言わせてもらうと『時計は使ってなんぼ』ですので、動いている時計を優先的に使って眠っている時計がたくさん、という状態になるぐらいだったら、文明の利器を『必要最小限に上手く』使って、全体として効率的に使えるようになるのであれば、導入するメリットはあると思いますし、私は購入したワインダーを満足して使っています。

 こちらの商品の詳細なレビューは以下に記載しました。

 [レビュー]アビエス VS-WW022を購入しました。


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