これが実に『渋くて、実直で、ネット画像では伝わらない(苦笑)良さがある』時計だと感じました。
この店主はネット通販もしておらず『会って信頼できる奴としか商売しねぇ(意訳)』という人なので、この場で紹介しても商売の邪魔にはならないだろう、ということで、私好みのDAMASKOの時計の魅力を紹介してみようと思います。
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☆本日の紹介
・DAMASKO TYPE DS
〇DAMASKO(ダマスコ)について少し
ダマスコは時計メーカとしては1994年創業と新しいメーカですが、元は金属加工会社として生まれており、加工技術の基礎を持っておりました。かなり早い段階から、とある時計ブランドの製造を請け負っていた(過去形)実績があり、各種加工技術や部品製作ノウハウを蓄積していったようです。
2006年には自社製のシリコン製のひげゼンマイと脱進機を実用化し、現在では某有名メーカに部品納入しているとのこと。また、外装の堅牢性が売りでして、ハンマーでぶっ叩いても大丈夫、なんて解説が載っていますし、ブレスが非常に丈夫に作られているのも写真からうかがえます。(ブレスの実物は見れなかった)
時計ラインナップとしては、パッと見て分かるドイツ系のパイロットウォッチがほとんどです。私は結構好きですが、もう少しビジネスライクな時計が1つぐらいあっても良いのでは?と思わなくもないです…。
これ以外にもセールスポイントがあり、耐磁性能や防水性能、耐衝撃性能は各種規格をクリアしており、堅牢性ならダマスコです!と言わんばかりです。
〇ダマスコを触ってみて感想は?
各種モデルを紹介する前に、全般的なことを述べましょう。
魅力的に感じたと先述しましたが、パッと見た感じは非常に地味で「綺麗!」とか「すごい!」という類の時計ではありません。しかし手に取ってよくよく見ると、ケースエッジがシッカリとしてダレた感じが無く、良い意味で凝縮感があって重量感があって、文字盤も気になるところは無く、視認性が高くて『減点法だと高得点』という感じがあります。
ストラップのレザーも艶などの派手さはありませんが、しっとりと良質な革が使われているのを感じました。ブレスは実物が見れなかったのが心残りです。
ねじ込み式リューズのネジ部は、締め込むときに遊びの少ない、まっすぐに締め込まれてゆく精度の高さを感じました。これは普段辛口の時計屋店主も同じことを言っており、私なんかが言うよりも説得力があるでしょう(笑)
後に述べますがデイデイト(曜日・日付)表示モデルが多く、このデイデイト表示が文字盤色に合わせてあり、しかも中心線からオフセットされた仕様になっていて、わざわざ自社生産していることが良く分かります。
ちなみに、なぜオフセットしているかは想像ですが、中心線を引いたデザインを優先したことや、数字もしくはバーインデックスの大きさを優先するとデイデイト表示に干渉するからではないか?と考えています。こういう、コンセプトを優先するスタイルは好感が持てます。
ちなみに、ブレスは手が込んだ丈夫な物を作っている(店主談)せいで、ブレスモデルとストラップモデルの価格差が大きくなっています。
では、実物を見れた物(もしくは近いモデル)を中心に紹介してゆきます。
〇ダマスコ クラシックシリーズ(DA 36 L)
私の独断ですが、このシリーズがダマスコの基本モデルだと言って良いのでしょう。
文字盤は黒・白等、アラビア数字、バーインデックス、レザーストラップ、メタルブレスと各種組み合わせがあります。スクリュー式のメタルケースバック。
3針のセンターセコンドにデイデイト表示です。ダマスコはデイデイトモデルが多く、曜日は有った方が良いとの考え方なのでしょうか? そういう意味でもこのクラシックはダマスコらしさがあります。ドイツ系のパイロットウォッチ特有のケース形状に、ダイヤハンドという組み合わせで、リューズガードが付いているのがダマスコの特徴です。
ムーブメントはETA2836の自動巻き。40mm径のケースに12.3mmの厚さとなっています。また、内側にスケールを追加した42mm径のモデルもあります。
〇ダマスコ クラシックベゼルシリーズ(DA 46 L)
クラシックシリーズと基本は同じで、回転ベゼルを追加したのがクラシックベゼルシリーズです。ムーブメントはETA2836で自動巻き、デイデイト、3針センターセコンドと共通です。回転ベゼル付きで40mm径なので、数値よりもコンパクトに感じます。こちらもスクリュー式のメタルケースバック。
ベゼルの操作感は、コクコクとしっとりした感触です。キリキリという小気味の良い音を立てるようなタイプではありませんが、引っ掛かりや変な(ゴムっぽい)抵抗もなく、良く出来ているのを感じます。ベゼルの回転は60ノッチ。
〇ダマスコ TYPE DS
2018年の新作だそうです。楽天には入荷していませんでしたし、公式サイトにも出ていませんね(汗)
39mm径 9.95mm厚と、最近のETA2824-2搭載モデルとしてはコンパクトに作られたモデルです。防水100mや耐磁性能も持っていることを考えると、かなり頑張っているのではないでしょうか? 3針センターセコンド、デイト表示、自動巻きとなります。スクリュー式のメタルケースバックです。ラグ横にバネ棒用の穴が開いていて使い勝手も良いです。
これがねぇ、良かったのですよ(笑) 自分はほぼ同様の時計としてArchimedeを持っていますので、TYPE DSのレベルの高さが良く分かりました。個人的な一押しのモデルです。革ストラップの質も良く、しっとりとした触り心地に柔らかでフィット感が良いです。ビンテージっぽい2点留のステッチも格好良い。
さて、ここからは実物は見ていないけど魅力的なモデルを。
〇ダマスコ DK 14 S
ダマスコの自動巻きのオリジナルムーブメントを搭載したモデルです。オリジナルと言いつつETAムーブメントのチューニングモデルが多い中、こちらのA-35ムーブメントは比較的手が入っています。(ベースは不明) センターに時・分にスモールセコンド、デイデイト表記となっています。また、別モデルでセンターセコンドのモデルもあります。パワーリザーブが52時間。自社生産のシリコンひげゼンマイおよびシリコン脱進機と、非常にスペックが高いですね。(参考サイト)
42mm径とサイズが少し大きいですが、昨今の傾向から言えば標準的ぐらいかと。デザイン的に引き締まっているので、そこまで大きくは見えないはず。(DA46L等を見ての感想)
〇最後に
さて、私が買うのかどうか、という点ですが、TYPE DSですとArchimedeのパイロット(2824で50m防水で耐磁性など無し)の完全上位互換となり、完全に被ってしまいますね。これはツライ。
所有している時計を活用したいと考えている身ですので、現状ではTYPE DSは保留かと。数字インデックスが発売になると…ちょっとグラッときますね。ケースの仕上げもDAMASKOが上に感じましたし。
SKX013を使うようになって、デイデイトの便利さを感じるようになりました。そういう意味では、DA36Lや、そのブレスモデルは結構魅力的です。雰囲気を変えてDA46も良いですし、DA46に近い形状でセンターに秒針のあるクロノグラフがあったりと、こういうツールウォッチが好きな身としては魅力的に映るモデルが多いです。
DAMASKOの悪いところは、写真から全く魅力が伝わらないことですかね。写真の撮り方とかの問題ではなくて、触らないと分からないような渋い良さが多いと感じます。お近くに取扱店があれば、ぜひお手に取って見ていただければ、と思います。
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