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2019年8月8日木曜日

新型Seiko 5 Sportsが発表[実質ボーイ後継]

Seiko 5 Sportsのブランド整理(一新)が発表されました。

公式を見れば一目瞭然で、これはSKX007に代表されるボーイの形状です。

どんなラインナップなのか?どういう意味があるのか?などを解説します。

※2020年2月追記
 2019年夏ごろには在庫が無くなり、ついに廃番と思われた旧ボーイシリーズは、2020年2月現在、なぜか在庫が復活してきました。ボーイは継続している模様。

ボーイは廃盤になっていないみたいって話


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☆本日の時計

・Seiko 5 Sports新シリーズとSKX007ボーイシリーズ



〇Seiko 5 Sportsが一新される


 まずは公式をご覧ください。

★Seiko 5 Sportsスペシャルページ(日本)

 詳しいラインナップが出ていませんが、実はグローバルでは発表済みです。

★Seiko 5 Sports Lineup(Global)

 簡単に説明すると、(現段階では)ケース形状同一で、文字盤とベゼル、ストラップ、ケースカラーを替えた複数のスタイルを用意した、ということです。



〇SKX007ブラックボーイ,SKX009ネイビーボーイが廃盤になる予想


 先のページを見れば一目瞭然で、これはボーイシリーズのケース形状です。もともとボーイシリーズは、Seiko 5よりも少し作りが良くて、安価で、ダイバーズウォッチを名乗れる性能を持っている、というシリーズでした。
 また、現在のセイコーのラインナップの中でボーイシリーズは中途半端な立ち位置になっていたのは否めず、国内正規流通が無くグローバルでも現在のラインナップから外れた位置にありました。そのような背景があり、特に日本国内ではボーイシリーズが入手しにくく(在庫も少なく)なっていました。

 今回、ケース形状が同じで新展開のシリーズに置かれたということは、SKX007,SKX009の従来のボーイシリーズは廃盤になるとの予想は非常に妥当だと考えています。



〇新Seiko 5 Sportsのセイコーの狙いを予想



ラインナップを見つつ、私なりにセイコーの狙いを考えます。

★セイコー5のブランド価値向上と確立

 新シリーズは4R36ムーブ(低価格ダイバーズで使われる ⇒使い方などもレビューしています)に変更し、これまでの一般的なSeiko 5 よりも防水性の高い100m防水として、(説明を読む限り)おそらく夜光塗料の量も増やして3万円~3.5万円+税という価格になりました。

 従来のSeiko 5からのレベルアップと考えると妥当そうな価格上昇です。

 これらに、各イメージに合ったデザインを付与し、日本国内+グローバルで正式展開することでブランド価値の向上と、これまであいまいだった立ち位置を確立させる狙いがあると考えられます。

 また、有名で人気のあるボーイをこのシリーズに取りこむことで、Seiko 5 Sportsのイメージリーダーを務めさせることにしたのでしょう。


★品質管理コストの削減と利益率向上

 これまでボーイは安価ながら本格ダイバーズの性能を持った稀有な存在でした。ダイバーズウォッチを名乗るためには規格に定められた性能を有している必要があり、おそらくセイコー内でもプラスアルファの品質管理(抜き取り検査など)を行っていたものと想像できます。

 今回、ボーイからダイバーズウォッチの名前を外してSeiko 5 Sportsに再編成したことで、プラスアルファの品質確認が不要になりますからコストの削減が見込めると考えられます。

 また、性能がアップしているとはいえ、製造コストから考えればそれほどのコストアップとは思えないので、ファンが離れない程度に価格を上げて利益率を上げたい思惑が透けて見えます。


★ボーイカスタム層の取り込み

 現在のボーイを語る上で外せないのは、MODやカスタムと呼ばれる『サードパーティー品の部品を組み込んで自分仕様に改造する』文化です。サードパーティー品の文字盤やベゼルインサートはそこそこの値段がしますし、ブレス・ストラップの交換にもお金がかかります。

 これに対して、セイコーが純正で様々なイメージに合わせたモデルを用意することで「数万円かけて部品を換えるなら純正で買ってよ!」という戦略だと思われます。

 その観点から見ると、現在人気のあるグリーンやビンテージ風のアイボリーの文字盤など各種デザインと、それに合わせたベゼルインサート、ビンテージの黄変をイメージした夜光を用意したり、ブラックアウトしたモデルがあったりなど、カスタムで人気のあるスタイルをかなり意識しているのが感じ取れます。
 ラインナップをズラッと見ると、少しでもあの形状に興味があれば、ひとつぐらいは『これは欲しい!』と思えるだろうラインナップで、カスタム要らずという戦略は強いですね。



〇ユーザーから見た感想


★良いと感じた点

 カスタム不要なほどのバリエーションがあり、選ぶ楽しみがあります。これだけあって欲しいモデルがなきゃ諦めて!と言わんばかりです。また、国内正規流通に乗ることから入手性も上がることでしょう。
 多様なブレスやストラップと組み合わされることにより、時計のひとつの楽しみ方である『ブレスやストラップを交換することで自分好みにカスタマイズする』楽しみを、メーカーが提案している点は非常に評価できます。


★悪いと感じた点

 ボーイの『安価だが本格ダイバーズ』というのが失われ、防水性が低下しました。防水性の低下は、おそらくケースバックがシースルー(ボーイはステンレス蓋)になったことが原因だと考えられます。
 実際には多くの人には200m防水(本格的なダイビング用途)は不要な訳ですが、ダイビングにも使えるという付加価値(イメージ)を失うことや、本当にダイビングに使っている人からは不評になる可能性があります。
 従来のボーイから厚さも変わっておらず、シースルーになって防水性が低下しただけ、という印象はぬぐえません。(これで厚みが減ったりしていたらアリかもしれませんが…)



〇Seiko 5の今後の展望


 今回は、Seiko 5 Sportsの1つのケース形状について発表されました。おそらく従来のモデルは順次廃止されて、人気のあるものが選別されて新シリーズに移行すると思われます。Seiko 5の楽しみは『多様なケース形状』にあると私は考えているので、この多様性が失われるのは少し悲しいです。(今までが多すぎたので仕方ないですが…)

 また、今回のSports以外、例えばビジネス向けのモデルも同様に変更されていくものと思われます。現在の逆輸入モデルすべてが廃止されていくのかは不明瞭ですが、新興国の人々が買いやすい価格で堅牢であるというSeikoのひとつのブランド価値が失われるのかどうか?が大きなポイントになると考えています。

★ビジネス向けSeiko 5のおすすめ紹介もあります



〇最後に私感


 セイコーが自社ブランドを高めていこうとする取り組みは悪くないと思っていますし、ボーイシリーズがそろそろ終了になると覚悟していましたが、まさかSeiko 5に格下げになるとは思いませんでした。これも時代の流れと思うしかないでしょう。

 問題は、今回発表のモデルだけでも相当数あり、こんなにラインナップを増やしても良いのか?というのが正直な感想です。 ただでさえ、セイコーのダイバーズシリーズには日本未導入のモデルが多数あり、既に国内正規流通でもダイバーズモデルの過多を感じておりましたので、もうちょっと整理した方が良いのではないか?と感じています。


 結構、文句を言ってしまいましたが、格好良いモデルが多くありますので、注目度が上がっていって、セイコーの機械時計に興味を持つ人々が増えることを期待しております。


※2020年2月追記
 2019年夏ごろには在庫が無くなり、ついに廃番と思われた旧ボーイシリーズは、2020年2月現在、なぜか在庫が復活してきました。ボーイは継続している模様。

ボーイは廃盤になっていないみたいって話

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