今回紹介する6R15および6R35も内容はほとんど同じなのですが、時計に詳しくない人が「ほとんど同じ」と言われても困るだろうと考えて、今回新たに記事を用意することにしました。
↑こいつは4R搭載 |
今回は、6R15ムーブメントを中心に、実際に使う中での注意点、取り扱い方法をまとめてみます。
※参考
☆4R系ムーブメントの使用方法
☆7S26ムーブメントの使用方法
☆本日の紹介
・セイコープレザージュ SARX033等
〇セイコー6R系ムーブメント概要
6R15と6R35の共通の特徴をざっくりとまとめます。
・時間 分 センター秒針
・手巻き有
・セコンドハック有
・21600振動/時=6振動=3Hz
・精度保証:-15~+25秒
・パワーリザーブ
6R15:50時間 6R35:70時間
このほかにも、パワーリザーブ表示付の6R27、曜日表示付の6R21などバリエーションがあります。
精度保証は、ネットを見る限り上記の数字よりも良い場合が多いようです。振動数はETA2824-2よりも少しロービートな6振動。機械時計初心者の方は、数値が少ない=悪い?と思ってしまうかもしれませんが、気にする必要はありません。何事もバランスなので、精度がそこそこ出て故障が少なくてパワーリザーブが十分なバランスになっていれば良いと私は考えています。
〇日付・曜日・時間の合わせ方
曜日表示が無いムーブメントもありますので、そのあたりは飛ばして読んでください。
★6R15や6R35等の日付表示のみ
ねじ込み式リューズの場合は、ネジを緩めて、そうでない場合はそのまま引っ張って、1段引くと日付の変更で、2段引くと時分の変更となります。
★6R21等の曜日表示アリ
ねじ込み式リューズの場合は、ネジを緩めて、そうでない場合はそのまま引っ張って、1段引くと日付と曜日の変更で、2段引くと時分の変更となります。
日付と曜日が変わり始めている時間帯にこれらを変えようとすると、ギヤが噛み合っているのを無理に動かすことになり、一発で故障の原因となります。そこで、説明書に書かれている手順を元に以下のように行います。
時間調整の際に止まっていたら、リューズのネジを緩めるた状態(ねじ式でなければそのまま)でリューズを巻くなり、時計を振って、時計が動く程度にゼンマイを巻いておきましょう。
1.秒はどの位置でもOKなので、2段引く。
この状態で、時間を進める。回転方向は時計回り。
リューズを押す方向にまわす。それで日付が変更になるまで進める。
ここが0時になります。
2.ここから更に時計回りで12時間進める。
これでお昼の12時。
3.リューズを1つ押し込んで1段引いた状態に戻す。
4.日付を設定します。
反時計回り(引き戻す方向)にリューズを回して日付を今の1日前、
今日が3日なら2日に設定する。
5.曜日を設定します。(6R21等)
時計回り(押し込む方向)にリューズを回し、曜日を今の1日前、
今日が火曜なら月曜の表示したい言語にする。
2クリックで1つ曜日が進むので注意!
6.0秒ちょうどでリューズを引いて2段引いた状態にする。
7.リューズを時計回りに回して1日進める。
これで現在の日付と曜日になりました。
8.さらに時間を進めて現在時間+1分に合わせる。
今が午後なら1周(12時間進めましょう)
9.基準となる時間が1分繰り上がって0秒になった瞬間に
リューズを押しこんで戻す。
10.ねじ込み式リューズはしっかりと締め込む。
改めて文字に起こすと結構面倒ですね(汗)
これは、日付・曜日変更禁止時間の午後9時から午前4時にこれらを変更させないための方法になっています。慣れてくればそこを外して微調整できるようになってきますが、それまでは以上の方法を遵守した方が安全です。逆に、ここさえ守れば壊れることはめったに無いのでは?と思います。
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〇パワーリザーブ50時間は十分か?
6R15のパワーリザーブは50時間で、完全に巻き上がった状態で土曜に日付が変わった瞬間(0時)に外したとすると、50時間後は月曜に日が変わって深夜2時に止まるということになります。よって、土日外しておいて月曜朝に使うのには不足します。
さて、これが十分かどうかを判定をするには、皆様の使い方が大きく影響しそうです。ヘビーローテーションで毎日のように使用していれば止まることなく使えます。1日使わなくても問題なし、という感じ。使わずに土日を越したいという場合は、土曜か日曜のどちらかである程度使うか巻き足す必要がありそうです。
〇パワーリザーブ70時間は十分か?
6R35の特徴であるパワリザ70時間は十分だと考えています。もっと言うと非常に魅力的です。この価格帯で70時間というのはほとんどなく、これ以上を求めるなら予算を積むかクォーツなどを選択するほかありません。ちなみにパワリザ70時間は、完全に巻き上がった状態ならば…
金曜18時に時計を外して土日使わなくても月曜16時まで動く
ということになります。平日は6R35搭載機で、土日は別の…という使い分けもしやすいです。
〇精度は?
ネットの評判を見ると、『自分は±5秒ぐらいでアタリ!』とか『平置きは良いけど実使用では誤差大きめ』などといった報告があります。私は6R系を所有していませんが、もっと保証精度の悪い4R36を積んだタートルでも+5秒弱/日で精度良く安定しています。(SRP775J1のレビューはこちら) ただ、こればっかりは個体差だと思っておいた方が良さそうです。
〇巻き上げ効率は?
比較が難しいですが、十分な巻き上げ効率だと感じています。少なくとも、デスクワークがほとんどで、そんなに歩かない私ですが、半日以上着用しておけば次の朝に止まっているということは有りません。
ですので、使用前に動いてさえすれば、そこから着用すれば1日中巻き上げながら使えるという感じで使えています。
〇最後に
6R系ムーブメントを持っていない&現行系では7Sと4Rだけ所有の私ですので、6Rの使い心地などを紹介できないのは申し訳ないですが…
私が所有する(より安価な)7Sと4Rについて述べると、自動巻きできるように少し振ってやるとすぐに動き出し、実際使っている間の実用精度も安定していて使い勝手が良いです。7S、4R、6Rはセイコーのダイバーズウォッチに使われている機械ですので、ハードな使用にも耐えられると考えています。(ビジネス用をハードに使っちゃだめですよ!)
先の使用方法に書いた、日付曜日変更禁止時間での操作をしたりしなければ故障の心配も少なめのようで、個人的に信頼しています。 初めての機械時計で心配だ!という人にも、ここだけを注意すれば滅多なことはないでしょう。何かトラブルがあっても(有償だけど)修理も安心な点もポイントが高いです。
これらの機械を通じて付き合い方を学んでいただければ…と思っております。
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